この度、長有紀枝編著『スレブレニツァ・ジェノサイド:25年目の教訓と課題』(東信堂3200円+税)と題した論文集を刊行させていただきました。
執筆者の方々は次のとおりです。ぜひご高覧ください。(以下オビ抜粋)
凄惨な「ジェノサイド」――その今日的意味とは何か?
1995年、ボスニア東部のスレブレニツァで起こったボシュニャク(ムスリム)の虐殺は「第二次世界大戦以来の欧州で最悪の虐殺」と称され、旧ユーゴスラヴィア国際刑事裁判所で唯一「ジェノサイド」と認定されている。事件から25年が経過した今日、改めてこうした歴史的事実を見つめ直し、現代を生きる我々に向けた教訓としなければならないだろう。本書は、地域研究・歴史学、国際法学、国際政治学それぞれの観点から、スレブレニツァ・ジェノサイドを多角的・重層的に捉え直すことで、その実像を浮かび上がらせる。
第Ⅰ部 地域研究・歴史学の視点から
第1章 スレブレニツァ事件を再構築する(長有紀枝)
第2章 スレブレニツァの集合的記憶(藤原広人)
第3章 スレブレニツァ事件をどう伝えていくのか(柴 宜弘)
第4章 “ 共存” の政治風土は醸成され得るのか(橋本敬市)
第Ⅱ部 国際刑事裁判と国際法学の視点から
第5章 ICTY による国際刑事捜査とスレブレニツァ(藤原広人)
第6章 国際刑事裁判におけるジェノサイド罪と迫害罪(尾崎久仁子)
第7章《解説》スレブレニツァ事件に関わる国際刑事責任の基本原則(佐藤宏美)
第Ⅲ部 国連平和維持活動(PKO)と国際政治学・平和構築の視点から
第8章《講演》スレブレニツァと国連PKO(明石 康)
第9章 国連平和維持活動における行為の帰属(岡田陽平)
第10章 スレブレニツァと「文民保護」の現在(篠田英朗)