難民

柴宜弘先生の『ユーゴスラヴィア現代史 新版』(岩波書店)が発売されました

(アフガニスタン情勢へのコメントは控えます)
柴宜弘先生の突然のご逝去から3か月あまり。このたび、先生のご著書『ユーゴスラヴィア現代史 新版』(岩波書店)が発売されました。初版の出版から25年、全面的に改訂され、新章が加わった新版です。

先生は校正作業の最中の5月28日、突然他界されました。先生が途中まで進められていた校正作業は、ユーゴの研究者を中心とする私たちゼミ生が引継ぎ、私も微力ながら、国際刑事裁判の部分などを中心にお手伝いさせていただきました。

亡くなられる2週間ほど前、ゼミ生を中心とした研究会でこの新版についてのご発表をうかがう機会がありました。新たに加筆された部分について、「楽観的すぎる、という批判は覚悟の上で、敢えて新しい動きに、微かな希望を見出していきたいと考えている」と話された柴先生。

スレブレニツァ委員会の仕事でセルビアに行ってきました。偶然にも、出発直前、ご本の見本が届き、先生のご著書とともに、ベオグラードの町を歩き、未だ憎悪と分断がキーワードの世界で、どのようにスレブレニツァ事件を考えていくのか議論することができました。
911の発火点ともみなされるボスニア紛争。柴先生が敢えて見ようとされた希望や光を私も見続けたいと思います。

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