ジェノサイド

2月28日(火)開催:公開講演会のお知らせ(スレブレニツァと犠牲者意識ナショナリズム):林 志弦先生をお招きして

公開講演会「ジェノサイド後の分断社会における和解と共生の可能性と不可能性―スレブレニツァを事例に、『犠牲者意識ナショナリズム』の視点から」を開催します。
https://www.rikkyo.ac.jp/events/2023/02/mknpps0000024800.html

日時:2023年2月28日(火)14:00~17:00 (対面・オンライン同時開催)
場所:立教大学池袋キャンパス8号館8101教室(感染症対策のため500人収容の大教室を使用)
主催:立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科、社会デザイン研究所
参加費無料・要お申込み
お申し込みはこちらから →  https://forms.gle/fE3NSynMJAqo9dD87

1995年7月ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争末期に、スレブレニツァ近郊で発生したセルビア人勢力によるイスラム教徒の成人男性に対する集団殺害事件は、凄惨なボスニア紛争の中でも、国際刑事・国際司法裁判所(ICTY,ICJ)から、唯一「ジェノサイド」として認定された象徴的な事件です。ウクライナ戦争においても、同国防省がブチャの惨劇を前に「新たなスレブレニツァ」と公式SNSで発信したことでも知られます。
本シンポジウムは、科研費(C)「ジェノサイド後の分断社会における和解と共生の可能性―スレブレニツァを事例に」(20K12332研究代表者:長 有紀枝)の総括として、昨年『犠牲者意識ナショナリズム』の邦訳版を出版した林 志弦(イム・ジヒョン)韓国・西江大学教授をお招きし、ポスト・ユーゴ地域を専門とするロンドン大学のドラゴヴィチ=ソーソ教授、橋本敬市JICA国際協力専門員、クロス京子京都産業大学教授とともに、ジェノサイド後の分断社会の和解や共生、記憶の政治について多角的に検討します。(日英同時通訳付)

本シンポジウムは、上記科研費(C)(20K12332)および科研費(B)「旧ユーゴスラヴィア地域における民族を超えた文化の学際的研究:紛争後30年を経て」(21H03710研究代表者:神田外語大学鈴木健太)の助成を受け、また当日の会場運営は難民を助ける会(AAR Japan)の協力を得て行うものです。
≪プログラム≫
14:00 開会
14:05~15:00:【基調講演】
* 林 志弦 西江大学教授「犠牲者意識ナショナリズムを超えて」
(休憩 15:00~15:10)
15:10 ~17:00 【パネルセッション】
*“Srebrenica and ‘coming to terms with the past’ in the post-Yugoslav region”ヤスナ・ドラゴヴィチ=ソーソ ロンドン大学教授
*「スレブレニツァをめぐる記憶の戦争」長 有紀枝 立教大学教授
*「2021年7月の上級代表(OHR)によるジェノサイド否定を処罰するボスニア刑法改正とその背景」橋本敬市 JICA国際協力専門員・平和構築担当
*「誰が正当な『被害者』かー補償をめぐる分断と政治化」クロス京子 京都産業大学教授
*コメント:林 志弦教授
*会場との質疑
17:00 閉会

お申込み: https://forms.gle/fE3NSynMJAqo9dD87
お問い合わせ:スレブレニツァシンポジウム事務局(長研究室):info.jindo@rikkyo.ac.jp
≪登壇者プロフィール≫
①林 志弦(イム・ジヒョン):韓国・西江大学教授・同トランスナショナル人文学研究所長
西江大学博士(西洋史学)。 韓国・漢陽大学教授、同大学比較歴史文化研究所長などを経て2015年から現職。専門は、ポーランド近現代史、トランスナショナル・ヒストリー。 ワルシャワ大学、ハーバード・イェンチン研究所、 国際日本文化研究センター、一橋大学、ベルリン高等学術研究所、パリ第2 大学、コロンビア大学などで在外研究と講義を重ね、各国の研究者と共にグロー バル・ヒストリーという観点から自国中心の歴史を批判。現在は、記憶の研究に重点を移し、東アジアの歴史和解を模索している。主な著書に『犠牲者意識ナショナリズム 国境を超える「記憶」の戦争』(澤田克己訳・東洋経済新報社、2022年) Global Easts: Remembering Imagining, Mobilizing (Columbia University Press, 2022)他多数。

②ヤスナ・ドラゴヴィチ=ソーソ(Jasna Dragović-Soso):ロンドン大学ゴールドスミス校政治国際関係学部教授
ジュネーブ国際開発大学院にて博士号(国際関係・歴史と国際政治)。専門は国際関係と政治学。旧ユーゴスラヴィアおよびポスト・ユーゴ地域の記憶の政治、移行期正義、ナショナリズム、国家の解体と国際社会の介入について著作多数。Palgrave 社の「記憶の政治と移行期正義シリーズ」全15巻の共編者。https://www.gold.ac.uk/politics-and-international-relations/staff/dragovic-soso/

③橋本 敬市(はしもと・けいいち):国際協力機構国際協力専門員・平和構築担当
大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程修了(国際公共政策博士)。新聞記者、在オーストリア日本大使館専門調査員、上級代表事務所(OHR)政治顧問を経て、2002年より現職。主な著作に「“共存”の政治風土は醸成され得るのか」長有紀枝編著『スレブレニツァ・ジェノサイド 25年目の教訓と課題』(東信堂2020)「ボスニア・ヘルツェゴヴィナにおける和平プロセス—国際社会による強権的介入」(『国際問題』2003年7月)など。

④クロス京子(くろす・きょうこ):京都産業大学国際関係学部教授
神戸大学大学院法学研究科博士課程後期課程修了。博士(政治学)。立命館大学立命館グローバルイノベーション研究機構専門研究員を経て2019年より京都産業大学准教授、2022年より現職。主な著書に『移行期正義と和解―規範の多系的伝播・受容過程』(有信堂高文社、2016年)、主な論文に「東ティモール-国連と政府のせめぎあいから生まれた国家建設の方向性」『ハイブリッドな国家建設―自由主義と現地重視の狭間で』(ナカニシヤ出版 2019)、「平和構築と正義の課題」『安定を模索するアフリカ』(ミネルバ書房 2017)ほか多数

 

 

 

 

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