紛争

続・新しい安全保障法制について

【難民を助ける会|理事長ブログにて執筆】

前回の新しい安保法制に関するブログ >>関して、「リアリストの視点を欠いた議論ではないか」というご意見をいただきました。近隣諸国の脅威を考えれば当然の法整備である、というご趣旨でした。

今回の法整備によって近隣諸国との関係においては、圧倒的に安全性が高まるかもしれません。しかし他方で、そのことにより世界的にみた危険性が高まるリスクも同時にあると考えます。そのことが私たち国際協力NGOにとっては、大きな問題であるがゆえに、前回のブログでこの問題を記しました。

新しい安全保障法制の閣議決定を伝える深夜のニュース番組で、視聴者からのツイッター投稿「いいことなのか、悪いことなのかわからない」が紹介されていました。実は、一連の報道の中で、私自身、もっとも共感したものの一つです。

日本を取り巻く国際環境に緊張が高まっている現在、安全保障について問題提起されるのは極めてまっとうなことだと思います。その結果私たち日本人の、経験・体験と知恵、中庸の精神やバランス感覚が試されているように思います。さまざまな立場からものが語られ、それゆえに、良識ある、しかし特定の政治的立場をもたない、多くの方々にとって、「正直、わからない」というある意味まっとうな感想が語られるのだと思います。

私はこのブログで、私個人の、あるいは難民を助ける会の考え方を、つたない形で記してはいますが、私たちはこう考えるという一つの意見を表明しているにすぎません。考える主体は、皆さま、お一人おひとりです。

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