(3) グッド・ヒューマニタリアン・ドナーシップ(GHD)における独立概念

 グッド・ヒューマニタリアン・ドナーシップとは,国際社会による人道支援の資金拠出が抱える地域的な偏りや資金拠出までの所要時間など、様々な問題点に対し,ドナー側の行動の改善を通じて,より効果的な国際人道支援の実現を図ろうというイニシアチブである。

  2003年6月のスウェーデン政府主催第1回会合にて37カ国が参加,成果文書を採択している。(注)

 GHDでは人道的活動の指導原則として、人道、中立、公平、独立の4原則を挙げた。(注)

 ここで、

人道原則とは、「人命の救助と苦痛の軽減を中心に置くこと」、
公平原則とは、被災者相互、あるいは被災者間でいかなる差別もなく、もっぱら必要性にのみ基づいて援助を行うこと」、
中立原則とは、「人道的活動が行われる武力紛争時あるいはいかなる争いにおいても、いずれの側にも荷担しないこと」、
そして独立原則は、「人道的活動が実施されている当該地域に関してあらゆる主体が掲げる政治的、経済的、軍事的また他の目的から人道支援の目的が独立していること」(注)

 とされた。

 独立原則については、先の国連総会決議58/114がそのまま引用された形である。

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