はじめに

 日本のNGOの立場から、国際協力に携わるようになって四半世紀が経過した。後半の10年は大学教員として奉職し、二足のわらじを履きながらの活動である。

 この間、実務家として、研究者として、赤十字の活動とその思想に、そして現場や東京で出会った方々に大きな影響を受けてきた。

 赤十字の7つの活動原則の内、特に、人道・公平・中立・独立の4原則は、赤十字組織に留まらず、人道支援を行おうとするあらゆる組織にその思想の基盤を提供し、多大な影響を及ぼしているが、私自身、国際協力を仕事にするようになって以降、赤十字の活動原則に自身の「生き方」そのものが影響を受けたといっても過言ではない。

 この拙文では、この赤十字の4原則の中から、特に「独立」原則が、現代に問いかけることについて考えを巡らせてみたい。

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